情報セキュリティの投資効果を最大限に高めるポイントとは

情報セキュリティの投資効果を最大限に高めるポイントとは
2024.5.17

近年、情報漏えいやサイバー攻撃等の脅威は増しており、企業にとって情報セキュリティ対策は喫緊の課題となっています。
特に近年では中小企業が狙われるケースも増えており、その脅威は増しています。しかしながら、中小企業では情報セキュリティ対策予算が少なく、限られた中で対策を実行していく必要があります。そのため、予算の使い方に悩んでいる担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中小企業における情報セキュリティ対策を効率的に行っていくためのポイントや、導入すべき対策について解説します。

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目次

昨今のサイバー攻撃と狙われる中小企業

警察庁が公開した、「令和5年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」では、サイバー攻撃の一種であるランサムウェアの被害を受けた企業の企業規模の内訳を公開しています。この資料によると大企業は36%、中小企業は52%と、企業規模を問わず被害を受けており、中小企業であってもサイバー攻撃の標的になりうることが分かります。

ランサムウェア被害の企業・団体等の規模別報告件数

しかしながら、中小企業の情報セキュリティ対策は順調に進んでいません。IPA(情報処理推進機構)の「2021年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」によると、直近過去1期の情報セキュリティ対策投資額は、半数以上が50万円未満です。このように、大多数の中小企業が情報セキュリティ対策に対して少額の予算しかかけられていないことがわかります。

直近過去1期の情報セキュリティ対策投資額

とはいえ、情報セキュリティ対策予算を急に増額することは容易なことではありません。そのため、限られた予算内で効率よく対策を講じていく必要性があります。

効率的に予算を使うためのポイント

それでは、どのようにすれば限られた予算の中で効率よく対策を講じていくことができるのでしょうか。本章では、参考にすべきポイントを5点紹介します。

リスクの優先順位を検討する

まず、重要となる考え方が、「守るべき情報(データ)の優先順位を明確にすること」です。しかしながら、自社にとって「最も守るべき情報とは何か」、を明確に把握できている企業は案外少ないのではないでしょうか。
もちろんすべての情報を守ることができれば、それが理想的と言えますが、予算が限られている以上、完璧な情報セキュリティ対策を実行することは現実的ではありません。そのために、「最も守るべき情報」を把握し、優先度の高い箇所から適切に対策を講じていくことが重要となります。
また、Web上に公開されているリスク評価ツールや分析シート等を活用することで客観的に現状を把握することができるので、優先順位を検討する際に活用しても良いでしょう。

各業界団体が発行するガイドラインや指針を参考にする

効率よく情報セキュリティの予算を使っていくために、自社が該当する業界団体のガイドラインや指針を参考にすることも有効です。業界によっては、特有のリスクが存在します。このようなリスクを漏れなく対策するために、ガイドラインや指針で自社が満たしていないポイントを確認するようにしましょう。 また、情報セキュリティのベストプラクティスや、成功事例を公開している業界団体もあるので、参考にしても良いでしょう。

情報セキュリティの専門家に相談する

効率よく情報セキュリティ対策の予算を使っていくために、外部の専門家へ相談することも有効です。情報セキュリティの専門家は、多くの企業で支援を行っていることから、様々なノウハウや知識を多く蓄えています。自社の現状や予算感等の情報と共に相談することで、有効な対策について提案を行ってくれるでしょう。自社で対策を探すよりも効率的かつスピーディに、求める対策が見つかるかもしれません。

ALSOKでも無料相談を受付けています。「この予算内でできる有効な対策は何か?」や「詳しい人がいなくて何も分からない」等、些細な悩みでも専門家が丁寧にヒアリングし、貴社に合った対策を提案します。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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運用を考慮する

情報セキュリティ対策を行う上で、運用負荷の高さについても漏れなく検討しましょう。費用が低い場合は以下のような運用上のデメリットが生じる可能性があります。

  • 運用サポートが付帯されていない
  • マニュアルの内容が薄く不十分である
  • 担当者の作業量が多く、業務負担が大きい

費用を抑えることができたとしても、運用に課題があっては効果的な対策とは言えません。そのため費用面だけではなく、対策を導入した後の運用についても十分な検討を行いましょう。

組織的な対策についても検討する

情報セキュリティ予算の使い道として、ウイルス対策ソフト等の技術的対策の他に、社員に対する教育等の組織的な対策についても検討しましょう。たとえ、強固な対策を施しても社員のセキュリティ意識が低ければ、望んだ効果を得ることは難しくなります。技術的対策の効果を高めていくためには、社員1人1人が情報セキュリティの重要性を理解することが必要不可欠です。標的型攻撃メール訓練やeラーニング研修など、組織的な防御力を高めるための対策についても検討しましょう。

中小企業がぜひ導入したい情報セキュリティ対策

最後に、予算が限られている中小企業でもぜひ導入しておきたい基本対策を3点紹介します。まだ導入していない対策があれば、検討してみてください。

ウイルス対策ソフト

情報セキュリティ対策の基本として、まず導入しておきたい対策がウイルス対策ソフトです。昨今では、法人個人を問わず一般的な対策として認知され、既に導入している企業も多いと思います。もし未導入の場合は、対策の第一歩として導入を検討してみてはいかがでしょうか。法人向けウイルス対策ソフトの選び方については、以下の記事で解説しています。

UTM(Unified Threat Management)

UTMは、ファイアウォールやウイルス対策、Webフィルタリング等の機能を1つに集約した、総合的な情報セキュリティ対策のことを指します。UTMを導入することによって、様々な脅威から自社のネットワークを守ることができます。一方でUTMは、費用や運用面等が導入後にネックとなることがあるため、導入の際は考慮が必要です。 またALSOKでは、中小企業でも導入しやすい「低価格の運用サービス付きUTM」を提供しています。

IT資産管理ソフト

IT資産管理とは、ハードウェアやソフトウェア、ライセンスといった企業内のIT資産を管理することを指し、これを効率的に行うツールがIT資産管理ソフトです。 IT資産管理によって、脆弱性のあるOSやソフトウェアのバージョンを利用していないかの確認や、ソフトウェアアップデートを一元的に管理することができ、セキュリティの向上が期待できます。また、不要なハードウェアやソフトウェア、ライセンスを把握でき、無駄な費用の削減にもつながります。 昨今は、クラウド型で導入が容易かつ安価なサービスが一般的になってきました。自社の環境や運用負荷、費用等を総合的に検討し、選定するようにしましょう。

まとめ

中小企業にとってサイバー攻撃は何としても防ぎたい脅威ですが予算の関係上、十分な対策が取れず困っている担当者が多いのが現状です。 そのため自社に適した対策を選び、効率的に対策ができるよう、本コラムで紹介したポイントを参考にしてみてください。
ALSOKでは、中小企業の皆様に寄り添った対策製品を多数取り揃えております。お困りの際は、ぜひ当社にお声がけください。

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